複雑な分散システム向けのLINXプロセス間通信サービス
テレコム・インフラ機器、自動車から医療機器、産業コントロール・システムまで、今日の分散システムは、ますます数多くのプロセッサやオペレーティングシステム、インターコネクトに広がる、先進性の高いプログラムを実行しています。こうした分散システムでは、プラットフォームのコンポーネントを統合し、ネットワーク全体にまたがるアプリケーションに対してサービスを提供します。分散システム用のアプリケーション開発における難関の1つは、このようなサービスの提供に必要な全体をカバーする通信フレームワークを構築することです。
エニアのLINXは、複雑な分散システムに向けたクラス最高のCOTSプロセス間通信 (IPC) ソリューションです。ダイレクト・メッセージパッシングを利用したフレキシブルで透過的なIPCスィートは、複数のオペレーティングシステムと連携し、信頼/非信頼両方のメディアでコントロール及びデータプレーン・アプリケーションをサポートし、TIPC (Transparent Interprocess Communication) などの競合IPCテクノロジーよりも高いパフォーマンスを実現します。また、LINXは、DSPやマイクロコントローラから64ビットCPUまで拡張でき、単一ブレード上の単一プロセッサから、マルチラックシステムに何百というプロセッサを配備した複雑なクラスタ・トポロジを持つ大規模ネットワークまで、どんな分散システム・トポロジにも対応できます。このようなスケーラビリティを持つIPCは、LINXだけです。
透過的でスケーラブルなIPCサービス
複雑な分散システムは、アプリケーション・プロセス間の通信をコーディネートするために、標準テクノロジーと自社独自のテクノロジーをいろいろと組み合わせることが多く見られます。IPCテクノロジーの具体的な組み合わせは、プロセスの物理的位置(即ち、同一プロセッサか、異なるプロセッサか、もしくは異なるオペレーティングシステムか)及びプロセスを接続する物理メディア(即ち、共有メモリか、ギガバイト・イーサネットか、RapidIOか)など、ターゲットのオペレーティングシステムの構成に依存します。このように、基礎のOS、プロセッサ、インターコネクトに依存してしまうと、これらのハイブリッドIPCシステムのパーティション化と開発が難しくなるばかりでなく、再構成や拡張はより困難となります。
エニアのLINXは、システム全体をカバーする透過的なIPCサービスを提供します。複数のオペレーティングシステム、プロセッサ、インターコネクトにまたがるプロセスが、あたかも同一オペレーティングシステム上で動作しているようにシームレスに通信できるようにします。LINX IPCサービスは、基礎のハードウェア、オペレーティングシステム、物理インターコネクト、ネットワーク・トポロジに依存しません。こうした一貫性と透過性により、分散型アプリケーションのパーティション化と開発は容易になります。さらに、アプリケーションをほとんど変更することなく再構成や拡張ができるようになります。他のサプライヤ製のソフトウェア・コンポーネントの統合も容易になります。また長期的には、システム全体の可用性を高め、システムのデバッグや保守を容易に行えるようにします。
シームレスなLinux/RTOS間接続
LINXの透過性は、複数のCPUやDSP上で動作する複数のオペレーティングシステムを組み合わせるようなソフトウェア・プラットフォーム・ソリューションの作成には、まさに理想的といえます。このような汎用プラットフォームを使うことにより、機器メーカーは、アプリケーションに最適なOSやプロセッサの組み合わせをどれでも自由に選択できます。例えば、ネットワーク機器プロバイダは、ブレードのうち1セットにLinuxを選択して、高レベル管理・監視制御アプリケーションをホストし、一方で、ブレードの別の1セットにはOSEやOSEckを選択して、リアルタイム制御やDSPベースのメディア処理アプリケーションをホストするといったことができるようになります。
クラス最高のパフォーマンス
LINXは、TIPCなど競合IPCソリューションよりも低遅延、高スループットの高パフォーマンスIPCソリューションです。この高パフォーマンス・レベルにより、LINXはイントラノード(同一CPU内)のプロセス間通信にも、インターノード(異種CPU間)のプロセス間通信にも、システム全体で利用できます。このため、システム設計を簡素化し、信頼性を向上させます。
高スケーラビリティ
競合IPCソリューションと異なり、LINXは省フットプリントであるため、高パフォーマンス32ビット/64ビットCPUのみならず、DSP上でも実行できます。また、LINXは、革新的なアドレスモデルを利用しているため、その省フットプリント性とともに、高い拡張性(スケーラビリティ)を誇ります。シンプルなDSPのノード群から、複雑なクラスタ・トポロジ(即ち、複数のブリッジやゲートウェイによって接続されるクラスタ群)の大規模ネットワークまで、あらゆるシステム・トポロジをサポートできます。
ビジネスの利点
複数の製品世代に対して市場導入時間を短縮
システム全体をカバーする単一IPCを使ってアプリケーション・プロセスやプラットフォーム・ソフトウェア・コンポーネントをリンクさせることによる、市場導入までの時間を大幅に短縮します。これは、最初の製品開発やインテグレーションに限らず、複数の製品世代に対する将来的なアップグレードにも有効です。単一のIPCメソッドは、容易に学習できるだけではなく、システムのスケーラビリティを高めるため、設計者は、アプリケーション・コードを変更することなく自社アプリケーションの再構成、ノードの追加/削除、ソフトウェア・コンポーネントのリロケートができるようになります。さらに、LINXの一貫性と透過性は、アプリケーションやシステム・ソフトウェアを新しいハードウェアへ容易に移行でき、機器メーカーは製品の複数世代にわたってソフトウェアを再利用できるようになります。
可用性の向上
LINXは、指定した接続に対して監視機能や障害レポート機能を提供することにより、分散システムの可用性を高めます。また、物理CPUインターコネクトとエンドポイント間の論理接続の両方に対して冗長リンクの内蔵サポートを提供します。
ライフサイクルの保守コストを低減
また、システム全体をカバーする単一IPCメソッドを利用することにより、システムのデバッグや保守がシステムのライフサイクルを通じて容易になります。単一IPCメソッドを使うアプリケーション・コードは、読みやすく、理解しやすく、複雑ではありません。このため、機器メーカーやサポート・チームは問題解決やアップグレードの実行が容易になります。
標準的なオープンソース - 最良のサードパーティ・テクノロジーに容易にアクセス
機器メーカーは、コストと市場導入時間の削減のためにCOTSテクノロジーに魅力を感じるようになってきています。このため、機器メーカーからは、COTSテクノロジーに容易にアクセス、統合できる標準的なオープン・インタフェースを求める声が高まってきています。LINXは標準的でシステム全体をカバーするIPCフレームワークを提供します。機器メーカーは、複数のベンダ製コンポーネントの最良の組み合わせを利用して、プラットフォーム・ソフトウェアやアプリケーションの開発が容易にできるようになります。また、LINXはオープンソースであるため、複数ベンダのインテグレーションを簡素化し、広い範囲の組み込みシステム・コミュニティが利用可能な最良のテクノロジーを作り出します。